第6章 結ばれた想い
レナは展望台でトレーニングをしているゾロを尋ねた。
「…どうした」
ゾロが気づき、声をかけてくれた。
「あのね…ちょっと相談したいことがあって…」
レナは昨日の出来事をゾロに話した。
それに加え、何か勘違いをしているサンジの誤解を解きたいこと、自分も気持ちを伝えたいこと、けれど過去のことを話す勇気がないこと…
「どうしたらいいかわからないの…けどこのままの状態も嫌…私、どうしたらいい…?」
レナは今にも泣きそうだった。
本音で話をすると色々なものが込み上げる。
こんなにも全てを打ち明けられるのは、ゾロだけだ。
「お前…あのエロコックがそんな昔のことを気にすると思うか」
ゾロが静かに言った。
「昔のことで悩む時間があるならさっさとお前の気持ちを知りてぇと思わねぇか」
「…でも…このまま嘘をついていても…」
「そんなことはあとから考えりゃいい。アイツと付き合っていく中で答えが見つかるかもしれねぇ」
「それで…いいのかな…」
ゾロにそう言われても、レナはまだ決心できないでいた。
「アイツはあんなことでお前を軽蔑するような奴じゃねぇ。お前もわかってるだろ」
「うん…」
それでも不安げに下を向くレナ。
そのレナの頭に、ゾロがポン、と手を乗せた。
「大丈夫だ」
「ゾロ…」
レナの頭から手を離したゾロを見つめた。
「ありがとう。私、サンジに気持ち伝えてみる」
ゾロのお陰で決心できたレナは、展望台をあとにした。