第6章 結ばれた想い
何の答えも出ないまま、朝を迎えた。
サンジに言われた通り朝食の準備を手伝いに行かなかったが、他の仲間に変に思われたくなかったので一番にダイニングに入った。
サンジの後ろ姿は、いつもと変わらないように見えた。
昨日のことがあるので、どのように接していいのかわからなかった。
サンジが自分のことを思ってくれているという嬉しさよりも、心配事や不安の方が大きかった。
「…おはよう」
恐る恐る挨拶をしてみる。
「おはよう」
サンジは振り返らずに挨拶を返した。
「おはよー!!」
ナミがダイニングに入って来た。
いつもとは違う気まずい空気に気づいたような顔をしたが、次々と皆が集まってきたので何も聞かれなかった。
朝食の後も、レナは最後までキッチンに残った。
そして何もせず、サンジとは言葉を交わさずに、キッチンを出た。
「あら、今日は早いのね」
女部屋に戻った途端、ナミがきいてきた。
「うん…」
「ねえレナ…サンジ君と何かあった?」
「えっ…何もないよ…」
「…そう?何もないようには見えないけど…まっ、何でも相談してよね」
「ありがとう、ナミ…」
できることならナミに相談したい。
ナミなら的確なアドバイスをくれそうだ。
しかし今のレナの悩みは過去に関わること…
たとえナミでも知られたくない。
そうなると、相談できるのはたった一人だ。