第6章 結ばれた想い
レナはキッチンに一人取り残され、呆然とたたずんでいた。
(サンジ…私のこと…好きって言った?)
顔が赤くなっていくのがわかる。
嬉しさが込み上げてきたが、同時にそれがしぼんでいく。
(他の男って言ってたけど…何か勘違いしてるの…?私…知らないところでサンジを傷つけていたの?)
サンジがあんなに取り乱したところを見るのは初めてだった。
誤解を解きたい。
自分もサンジが好きだと伝えたい。
(だけど…私の気持ちを伝えても…いいの?)
レナが気にしているのは過去のことだ。
この船ではゾロしか知らない。
レナがサンジに気持ちを伝えると、二人は晴れて想いの通じ合ったカップルということになる。
過去の事を隠したままそのような関係になってもいいのか。
かと言って包み隠さず話せるような内容ではないし、話したくもない。
レナは、サンジも自分のことが好きとわかって嬉しいはずだったが、暗い気持ちになった。
しばらく頭の中を整理した後、レナはキッチンを出て部屋に戻り、眠れない夜を過ごした。