第5章 嫉妬
「し〜まだ〜ッッ!!」
ルフィの声が船内に響き渡ったのは、皆で昼ご飯を食べた直後だった。
もう間も無く島に到着するようだ。
今回の島は前ほど大きくて栄えた街はないが、そこそこにぎやかな中規模の街があるということだった。
ログは今日の夜には溜まるので、明日の朝には出発するとナミが言った。
ゾロと話をしてから一週間が経っていた。
レナはいつも通り過ごしていたが…サンジの様子が最近おかしかった。
以前のように無愛想とまではいかないが、妙によそよそしくなった気がする。
料理のときの口数が極端に少なくなったし、食事の片付けをした後のティータイムも一週間ほどしていない。
せっかく縮まったと思っていた二人の距離も、また遠くなってしまった。
(私…サンジに何かしちゃったかな)
レナは知らず知らずのうちに気に障ることでもしてしまったのではないか心配になったが、聞く勇気もなかった。
サンジと買い出しに行くのを楽しみにしていたが、一緒に行ってくれるだろうか…
島に到着した直後、出かける準備をしているサンジのもとへ行くレナ。
「サンジ、今回の買い出しは…」
「あぁ、今回は一人でも大丈夫だから」
「…そっか。わかった」
レナは寂しい気持ちを堪え、船を出るサンジの背中を見つめていた。
(もししてサンジ…またナンパするのかな…だから一人で行きたかったのかな)
レナの頭にはまたサンジが女性と歩くあの光景が浮かんだが、どこで何をしようがサンジの自由なんだからと自分に言い聞かせた。