第4章 二人の恋
二人は船を出て大通りを歩いていた。
このあたりは二日前にナミと来ていたが、レナにとっては何度見ても物珍しい風景で辺りをキョロキョロと見回していた。
「とりあえず…メシでも食べようか」
「…うん!」
そうして二人が入ったのは洒落たレストランだった。
よく見ると、周りはカップルばかりだった。
「なんかここ…カップルばかりだね」
席に着いたレナが小声で言う。
「えっ……ごめん、こういうとこ嫌だった?」
サンジが慌てる。
「ううん、こういうところ初めてだから、嬉しい」
「よかった…それじゃあ、何頼もうか」
ーーー
運ばれてきた料理は、どれも本格的で美味しかった。
レナはサンジと二人で外食できるなんて想像していなかった。
(私たち、周りからはどんなふうに見えるのかな…やっぱりカップル?……ではないんだけど、そう見えてたら嬉しいな)
レナは恋が実ることを願わない代わりに、サンジとカップルだったら…という妄想にふけっていた。