第4章 二人の恋
外は明るみ始め、鳥の鳴き声がきこえてきた。
二人の間に会話はなく、レナは眠気に襲われていた。
頭がコクリ、コクリと前後左右に揺れ始めた。
サンジはさりげなくレナとの距離を詰めた。
コツン、とサンジの肩にレナの頭が当たったとき、やっと安定する場所を見つけたと言わんばかりに一気に体重がかかってきた。
すやすやと寝息をたてて眠るレナを、優しい瞳で見つめるサンジ。
レナの体温と重みが、心地よかった。
サンジはしばらくレナを見つめて過ごしていた。
このまま時が止まってしまえばいいのにと思っていたが、そろそろ朝食の準備を始めなければならない。
起こすのも可哀想だが、一応不寝番だから起こした方がいいのか…と迷っていると、レナがゆっくりと目を開け、サンジを見上げた。
「えっ…あれっ?私、寝てた?ごめんなさい……重かったよね」
慌ててサンジから離れるレナ。
「すごく気持ち良さそうに…寝てたよ」
「うー…ごめんなさい…」
「俺が代わりに見張っといたから大丈夫さ。俺は朝食の準備をするからもう降りるけど…レナちゃんは部屋に戻るかい?」
「ううん、私も手伝うよ」
そう言って二人はキッチンへと向かった。