• テキストサイズ

未来のいと《ONE PIECE》

第4章 二人の恋



レナが紅茶を飲んで出て行ってから、サンジは翌日の仕込みをしていた。
何も話はできなかったものの、一緒に紅茶を飲んでゆっくりできただけでもサンジは嬉しかった。

(不寝番はレナちゃんか…何か飲み物でも持って行くか)
仕込みを終わらせ夜も更けた頃、サンジは二人分のお茶を用意し展望台へと向かった。

(寝てねぇかな)
そっと覗くと、レナがしゃがみ込んで泣いているのが見えた。
嗚咽が聞こえる。

「レナちゃん!!」
大きな声で名を呼び急いで駆け寄った。
サンジは膝をつき、レナの顔をのぞきこむ。
「ハァ…ハァ……サン…ジ…」
苦しそうに見つめるその顔は涙でぐちゃぐちゃで、震えていた。

「レナちゃん、何があった?大丈夫?」
「ごめ…なさい…ちょっと考え事…してて…」

聞き終わらないうちに、サンジはレナを抱きしめていた。
(レナちゃん…そんな顔するな…)
サンジは何も言わず、何も聞かず、レナの震えが止まるまで、抱きしめていた。

(こんなとき…何て声をかけたらいいかわからねぇ…適当な事は言いたくねぇから……抱きしめさせてほしい…)


/ 148ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp