第3章 想い
(あのレディがレナちゃんだったらって…それしか考えられなかった…クソッ)
サンジはこの気持ちが何なのか、気づき始めていた。
なぜナミやロビン、他の女性と同じように接することができないのか。
なぜレナのことばかり考えてしまうのか。
(……俺は…本気でレナちゃんに惚れちまったのか…)
サンジは今まで本気の恋愛をしたことがなかった。
昔から、女性には人一倍優しくすることを心掛けていたが、女性は『女性』という括りで見ていたのかもしれない。
それはナミもロビンも同じだった。
しかし、レナだけは違った。
初めて医務室で見たあの瞬間に…一目見たあの瞬間に、レナのことを好きになっていた。
ナミやロビンと同じような態度で接することができなかったのは、『女性』というカテゴリーではなくーー『惚れた女性』というまったく別のものになっていたために、女性に対する態度と同じようにレナを扱えなかったのだ。
(レナちゃんの顔が見てぇ…けどレナちゃんにとって俺は…ただの無愛想な野郎だ…)
レナへの思いがはっきりとわかったところで、船に到着した。
自分がどう思われているかはさておき、夕食の手伝いに来てくれるであろうレナに会えることに胸を踊らせながらキッチンへと向かった。