第3章 想い
サンジは両手に大量の食材を抱え、船へと向かいながらつい先程までの情事を思い出していた。
ーー数時間前…
サンジは島に上陸すると、いつものように綺麗で誘いやすそうな女性をナンパしていた。
船での生活も楽しくて満足しているが、やはりサンジも男。
船旅では満たされない性欲を満たすことも、上陸したときの楽しみの一つだ。
最初に声をかけた女性から二つ返事でオーケーをもらったので、適当に街をぶらぶらしてからその女性が1人で住んでいるという小綺麗なアパートへ行った。
シャワーを浴び、良い雰囲気になったところでベッドに移動し…唇を合わせた。
舌を絡ませ、貪るようにキスをする。
サンジはこれから始まる魅惑のときを想像し、下半身を熱くしていた。
唇を離したところで、女性が名を呼んだ。
「サンジ…」
ーーレナの顔が浮かび、ドキッと心臓の音がした。
何度振り払っても浮かんでくるレナの顔。
いつもなら目の前の女性の事だけを考え、精一杯優しくするサンジだったが、このときは無理だった。
目の前の女性を見ると自身のモノが小さくなってしまいそうで、レナの顔が頭に浮かぶとまた固さと大きさを取り戻す…その繰り返しだった。
こんなことでは最後までできないと思い、途中からは振り払っていたはずのレナの顔を思い浮かべながら、何とか最後まですることができた。
いつもなら3回はしないと満足できなかったが、この日はもうこれ以上無理そうだったので早々に切り上げてきた。
そして必要な食材を買いーー今に至る。