第3章 想い
サンジが通りを歩くのが見えた。
食材の買い出しかと思った。
しかし、サンジの隣には綺麗な女性がいた。
しかもサンジの手は女性の腰にまわされ、とても親密そうだった。
それを見たレナの心臓が大きく跳ねた。
「サンジって、彼女がいたの??」
ドキドキうるさい心臓の音を無視しながら、レナがナミに尋ねた。
「あぁ…あれね……彼女じゃないわ」
レナはなぜかサンジから目が離せなかった。
2人はその親密さを通りゆく人々に見せつけるように、建物の中へと入っていった。
「彼女じゃないの?それじゃあ誰なの?どこに行ったの?」
(あれ?私どうしてこんなに焦ってるの?サンジがどこで何しようと関係ないのに…何で気になっちゃうの?)
レナはなるべく平静を装ってナミにきいてみる。
「ナンパよ、ナンパ。サンジ君も男だから、溜まるもの溜まってるんじゃないの?島に上陸したらいつもナンパしてるわよ。本人は気づかれてないと思ってるけどね」
(レナのことが好きなんでしょうけど、することはしたいのね)
ふぅ、と軽くため息をついてレナの方を見た。
とても深妙な面持ちでサンジ達が入った建物を見つめていた。
(もしかして、レナも……?これは応援してあげなきゃね)
そう思い再び心の中でにやりと笑うナミなのだった。