第3章 想い
必要なものを買いそろえ、二人はオープンカフェに入った。
「あー疲れた!けっこう歩いたわね!」
ナミが荷物を下ろし、椅子に腰をかけながら言った。
「いろんなお店に行けて楽しかったわ。ありがとう、ナミ」
「私もショッピングしたからいいのよ」
表面上はレナの買い出しということだったが、ナミもレナ以上に買い物をしていた。
二人は飲み物とケーキを注文し、今日のあの店はなかなか良かったとか、あそこはイマイチだったとか、そんな話をしていた。
「ふふふ…何だか、嬉しい」
急に笑ったレナにを見て、ナミはキョトンとしていた。
「どうしたの?」
「私が住んでた町は小さくて、年の近い子がいなかったから…こんなふうに一緒に買い物したり、カフェでお茶できるのが嬉しくって…」
そう言ってニコニコと笑うレナ。
「んもーー可愛いんだからぁ〜!私もレナが仲間になってくれて本当に嬉しいわ」
「そう言ってくれて嬉しい…私何にもとりえがないから…」
「何言ってんのよ、掃除とか洗濯もそうだけど、レナが細かいこといろいろ気づいてくれるから助かってるのよ。ほら、この船けっこう大ざっぱな人多いでしょ?」
「それならよかった…ありがとう」
ナミにそう言ってもらえて少し自信がついた気がした。
皆優しいから置いてくれてるだけで、戦えない仲間なんていらないんじゃないかと、心の隅ではいつも不安だった。
これからも自分にできることは何でもしよう、とレナは思った。