第2章 追憶 ★
レナは静かに泣いた。
(逃げなきゃ…)
悲しみを噛みしめ、涙を流し冷静になったレナはそう思った。
両親がもういないのなら、逃げることに迷いはない。
しかし、今までも逃げるチャンスはなかった。
フリークを殺したいとも思ったが、フリークには全くと言っていいほど隙がない。
力ではもちろん敵わない。
いつか脱出のチャンスが巡ってくると信じ、レナは希望を失わなかった。
ーーー
レナが、両親が死んだと知っていることをフリークに気づかれないようにした。
その方が油断させられると思ったからだった。
しかき何のチャンスもないまま、1年が過ぎようとしていた。
相変わらずフリークには毎日のように犯され、時々複数の男の相手をさせられていた。
そんな中、ようやくレナにチャンスが巡って来た。
それがあの、嵐の日だったーーーー
レナは決死の思いで海に飛び込みーーー奇跡的に麦わらの一味に助けられたのだった