第2章 追憶 ★
「ククク…潮まで吹きやがって。そんなに気持ち良かったか」
ぐったりとベッドに横たわるレナは、肩で息をしながらもキッとフリークを睨む。
「そんなに睨むなよ…なぁレナ…」
そう言って頬を撫でようと伸びて来た手を振り払うレナ。
「…ったく、強情な女だ」
フリークはニヤリと笑い、部屋を出て行った。
レナは悔しかった。
こんなヤツとのセックスで感じてしまうのは媚薬を飲んだからだと自分に言い訳をしていた。
しかし違った。
ただただ自分は好きでもない人とのセックスに快感を感じてしまう体になってしまったのだ。
今日媚薬を飲まなかったことで、それが証明されてしまった。
フリークにはお見通しだった。
レナが媚薬を飲まないとわかっていて、わざと隙を作っていたのだ。
(この男には、敵わないのかもしれない…)
レナはそう思った。
(けど…いつか必ず、チャンスはやってくるはず。お父さんとお母さんのためにここからは逃げられないけど…何かできることがあるかもしれない)
心が折れそうになったが、諦めずに希望を捨てなかった。