第11章 恋
あれからゾロとレナは、いつも一緒にいるようになった。
ゾロがトレーニングをしているときはレナはすぐそばでゾロと話をしたり、海を眺めたりしていた。
レナの掃除や洗濯をゾロが手伝う光景は、皆驚いていた。
誰が見ても二人は恋人同士のようだった。
始めは誰もが複雑な心境だったが、レナの笑顔が増え元気になっていく様子を見ると、これでよかったのだという気持ちに変わりつつあった。
(これで…よかったんだ…)
サンジは急接近した二人を見て、自分にそう言い聞かせていた。
本当なら自分がレナの隣にいるはずだった。
しかしそれを壊してしまったのは自分自身だ。
幸せになって欲しいという気持ちと、ゾロに嫉妬する黒い気持ちが心の底では入り混じっていた。
(レナちゃんが幸せなら…これでいいんだ…)
「明日の朝には、島に着くわよ」
ナミがそう言ったのは、皆がそろう夕食の席でだった。
「たぶん無人島だと思うわ。手分けして食料の確保しなきゃね」
ルフィは狩りをするぞと今から張り切っている。
「ゾロも狩りするのー?」
レナはゾロにきいてみた。
「…そうだな。一番でけェの狩ってやるよ」
「ふふふ。楽しみにしてるね」
ゾロは笑顔でそう言うレナを、愛おしそうに見つめていた。