第11章 恋
一週間が経ち、レナの体力も回復した。
今日からいつも通り自分の仕事ができる、とレナはウキウキしていた。
この一週間、ずっとベッドで寝ていたわけではなく、仲間と話をしたり遊んだりと、自由な時間を過ごしていた。
掃除や洗濯、料理など、やろうと思えばできたのだが一週間はしなくていいと、誰も手伝わせてくれなかった。
今日から誰にも迷惑をかけずに過ごせると思うと、いつもより心が軽くなった。
ゾロとの関係はというと、特に何も進展はなかった。
一緒にいる時間も他の仲間と大して変わらない。
キスはおろかハグもしていなかった。
本当に付き合っているのだろうかと心配になっていたが、仲間も皆公認のようなのでたぶん付き合っているのだろう、とレナは自分に言い聞かせていた。
身支度を済ませ、キッチンへと向かった。
朝食の準備を手伝うためだ。
「おはよ、サンジ…」
ガチャ、と扉を開け、先に起きて準備をしているサンジに声を掛けた。
「レナちゃん!?どうしたの!?」
「今日からまた調理補助させてもらうよ!今まで休んでてごめんね」
サンジはとても驚いたあと、すぐに気まずそうな顔をした。
「…いいよ。まだ体調戻ってないだろ?」
「ううん、もう完全に良くなったから…」
レナが調理補助として復活することで、サンジも喜んでくれると考えていた。
しかしレナの言葉をきいたサンジは、気まずそうな、不安げな顔を崩さなかった。
「…そりゃ良かった」
サンジはそう呟き、調理の下準備に戻った。