第11章 恋
「きっかけはアレだ…俺がお前に付き合えと言ったからだ。どんな風に付き合ってたかと言えば…まぁそれはこれからお前の好きなようにすればいい。最後の質問だが…どこまでヤったか、知りたいか?」
ゾロはニヤリと不敵な笑みを浮かべてレナを見た。
「大丈夫!やっぱいい!」
レナは焦りながら答えた。
最初の二つに関してはあまり納得のいく答えが返ってこなかったが、レナは諦めることにした。
そして再び最後の質問はするんじゃなかった、と後悔した。
「ゾロは…私のどこが好きなの?」
レナはゾロから視線をそらし、少し恥ずかしそうに問いかけた。
「さっきのはあんまり答えになってなかったし…これはやっぱり…聞いておきたくて…」
「…さァな」
またしてもニヤリと笑ったゾロは、立ち上がって出入り口の扉へと向かった。
「ちょっと…教えてくれないの!?」
レナの言葉を無視し、ゾロは医務室を出て行ってしまった。
(はぁ…私、ほんとにゾロと付き合ってたのかな…結局全部はぐらかされちゃった…)
一人になって少し寂しく思いながら、ベッドに横になった。
眠れそうになかったが、少しでも早く回復しなければ仲間に迷惑をかけてしまうと思い、目を瞑った。
ーーー
レナは必死で走っていた。
何かから逃げているようだった。
「逃がさない」
そんな声が後ろから聞こえる。
その声は、だんだんとレナに近づいているようだ。
「必ずお前を見つけ出す」
(逃げなきゃ…!!)
レナ…レナ…!!
ーーー
「レナ!!!」
ナミの声が聞こえ、レナは飛び起きた。
「ハァ…ハァ…」
「かなりうなされてたみたいだけど…大丈夫?変な夢でも見たの?」
ナミが心配そうにレナを見た。
「うん…ちょっと嫌な夢見ちゃって…けどもう大丈夫…」
「…そう?お昼ご飯の時間だから起こしに来たんだけど…来れそう?」
「うん、すぐ行くね」
ゆっくりでいいわよ、と言ってナミは医務室を出て行った。
(いつの間にか寝ちゃったんだ…変な夢見ちゃったな…)
しかし夢は所詮夢なのだから、とレナは忘れることにした。
レナはタオルで汗をぬぐい、身だしなみを軽く整えてダイニングへと向かった。