第11章 恋
第十一章 恋
翌日、レナは皆と一緒に朝食をとった。
一週間は安静にするようにチョッパーに言われたので、食事の準備もせず、掃除や洗濯も仲間にお願いして任せることにした。
(まだ本調子じゃないし…今日も医務室で休ませてもらおう)
そう思ったレナは、朝食後すぐに医務室へと向かった。
レナがベッドに腰かけて休んでいると、ほどなくしてゾロがやって来た。
「体調は…どうだ」
「ゾロ…もう大丈夫なんだけどまだ少し身体がだるくて…今日はここで休んでおこうかなって思ってる」
「そうか」
ゾロはそっけなく言うと、ベッドのすぐそばの椅子に座った。
(一緒にいてくれるの…かな)
レナは嬉しかったが、昨日のキスを思い出してしまい少し緊張していた。
(ゾロといてこんなに緊張するなんて…)
レナの記憶の中では、ゾロと話しても緊張したことはなかった。
昨日のキスのせいでもあるが、レナの中ではいきなりゾロと付き合うことになったので、どこか恥ずかしかった。
しかし初めてゾロと二人きりになれたので、今までの自分たちのことをきいてみることにした。
「ねぇゾロ…私ね、ほんとにゾロと付き合ってた記憶がないの…ごめんなさい。だから私たちのこと、教えて欲しいんだけど…」
腕組みして椅子に座っていたゾロが、チラリとレナを見た。
「レナは悪くねぇんだから謝るな。それより俺たちのことって…何だ」
ゾロのあまりのそっけなさに、付き合っているというのを疑いたくなったレナだったが、その気持ちを振り払い質問した。
「だから例えば…付き合うきっかけとか、どんな風に付き合ってたのかとか………その…ゾロと…どこまでしたのかなーとか…」
最後の質問でゾロは一瞬ぎょっとしたような顔になった。
レナは自分でも、どうしてそんな恥ずかしい質問をしたのかわからなかった。
今ある記憶の中では、レナは誰とも関係を持ったことがなかった。
ゾロと身体の関係はあったのか…ふと気になって口にしてしまったが、レナは恥ずかしい質問をしたことを後悔した。
(バカなこときいちゃった…うぅ…取り消したい…)