第10章 記憶
「えっとね、私…すごく好きな人がいたような気がするの…誰かは思い出せないんだけど…その感情だけは残ってるっていうか…」
レナのその言葉をきいて、サンジの顔色が変わった。
そして、他の仲間も皆表情が固まった。
…誰もがその答えを知っていた。
レナとサンジが付き合ったときは全員の前で報告したし、レナがサンジを愛していたのは誰が見ても分かるほどだった。
「って、こんな事言われても知らないよね、ごめんごめん」
皆の表情を見て気まずくなったのか、レナは笑って謝った。
そのとき…
「俺だ」
皆一斉に、声の主を見た。
その視線の先にいた人物は…ゾロだった。
「えっ……嘘…っていうか何で知ってるの?」
レナは心底驚いた様子だった。
レナだけではなく、仲間全員、そしてサンジが一番驚いていた。