第10章 記憶
「みんな…心配かけてごめんね…」
入ってきたのはレナだった。
「レナ!」
ナミがレナに駆け寄った。
「良かった!ほんとに…。もう動いて大丈夫なの??」
「まだ寝てたほうがいいぞ!!」
チョッパーが慌ててそう言ったが、レナは大丈夫と言うように首を横に振った。
「大丈夫だよ、チョッパー。早くサンジのご飯が食べたくて…来ちゃった」
そう言ってレナはキッチンにいるサンジの方を見た。
サンジは気まずそうに目をそらす。
「レナっ、とりあえず、座って座って!ずっと眠ってたんだから、安静にしなきゃ!」
ナミがそう言ってレナを椅子に座らせた。
サンジは出来たての料理をレナの前に持って行く。
「ありがとう!サンジ」
レナが笑顔でサンジに言った。
サンジはその眩しい笑顔を直視できず、何も言わずに目を逸らし、レナから一番遠い席へと座った。
レナは不思議そうに首を傾げていた。
「レナ、元気そうで良かったよ」
そう言ったルフィに続き、サンジを除いて皆口々に心配していたことを伝えた。
「ほんとにみんな、心配かけてごめんね。私はもう大丈夫だよ」
レナは笑顔でそう言った。
「けど私、どうしてこうなったか…覚えてないの。何があったの…??」
「レナ…そのことなんだけどね…レナは知らない方がいいと思うの。レナにとって辛いことだと思うから…いつか思い出すかもしれないけど、今は何もきかないで欲しいの…」
ナミが恐る恐るそう言った。
「……ナミがそう言うなら…きかない。記憶が失くなったのも、何か意味があるんだと思うことにするわ」
レナの納得した様子を 見て、皆安心していた。