第10章 記憶
出港して1週間…
レナの傷はもともと軽いものだったため、ほとんど治りかけていた。
あざもよく見なければわからない程度になった。
毎度宴のようだった食事の時間は、徐々に会話は増えてきたもののまだまだ静かだった。
サンジは変わらず必要最低限のことしか話さなかった。
レナがいつ目を覚ましてもいいように、チョッパーは医務室で食事をとっていた。
この日の昼食も、ダイニングには静かな時間が流れていた。
そんなとき、チョッパーが慌てた様子でダイニングの扉を開けた。
「レナが目を覚ましたぞ!!」
それを聞いて最初に立ち上がったのはサンジだった。
しかしそこから動けずにいた。
「体の具合はどうなの?」
ナミも慌てた様子で、チョッパーに尋ねる。
「元気そうだよ。腹減ってると思うからサンジ、何か作ってやってくれ!」
サンジは無言でキッチンのスペースへと足を運んだ。
「ただちょっと…気になることがあって…」
チョッパーが話し始めた。