第10章 記憶
第十章 記憶
あれから三日が経過した。
ログが溜まり、この島に用もないので出港することになった。
レナは相変わらず目を覚ましていなかった。
医務室にはほとんどチョッパーがおり、ナミもしょっちゅう顔を出していた。
ゾロも何度か来ていたが、サンジはあのときの一度きりだった。
サンジはいつも通りコックとしての仕事をこなしていた。
しかしいつもと違い、心ここにあらずといった具合に、常に無表情でぼーっとしていた。
仲間たちは、サンジとどう接していいかわからず、腫れ物を扱うような態度だった。
サンジが悪いのは百も承知だ。
レナのことを考えるとサンジを責めたい気持ちにはなるが、サンジの落ち込みようを見ていたら誰も責めることはできなかった。
それにサンジは既にゾロにボコボコにされている。
サンジを責めも擁護もできず、皆接し方を迷っているようだった。