第9章 代償 ★
ガチャ…
サンジは医務室のドアを開けた。
「サンジ…」
「チョッパー…わりぃ、少しだけ…二人にしてくれ」
「…わかった」
チョッパーは医務室を出て行った。
サンジはベッドで眠るレナを見つめた。
右頬にかすり傷があった。
軽い傷だったが、顔にある分痛々しかった。
(レナちゃん…俺のせいで……)
サンジは胸が締め付けられる思いだった。
(俺のこと許さなくていいから…目を覚ましてくれ…)
レナの頬に手を伸ばし、撫でた。
たった数時間ぶりなのに、とても懐かしく感じた。
その瞬間、サンジの目から熱いものが流れ落ちた。
「っ……」
(レナちゃん…ごめん…ごめん…)
サンジは心の中で何回も、何十回も謝った。
サンジはレナを抱きたかった。
一緒に泊まったあの日、レナから拒否されたことが、とてもショックだった。
他の女なんて、どうでも良かったのに…レナにそっくりな後ろ姿を見て、我慢ができなくなった。
最初から最後まで、レナのことしか頭になかった。
目の前の女を、レナだと思って抱いた。
満足したのはその瞬間だけで…あとは後悔しかなかった。
反省と共に、一生守っていこう、愛していこうと決めたのに…
レナが何をされたか、考えただけで卒倒しそうだった。
男六人に囲まれて…どれほど怖い思いをしただろう。
「クソッ!!」
サンジは静かに涙を流しながら、自分の過ちを悔いた。
それからしばらく経った後、サンジは医務室を出た。