第9章 代償 ★
「チョッパー!レナは!?」
ナミが心配そうに尋ねた。
「かすり傷が少しと…あと手首と腕の痣があるくらいで命に別状はないよ。けど…気を失っててまだ目を覚まさないんだ」
チョッパーが辛そうに答えた。
その場できいていた全員が、暗い顔をしていた。
サンジは青白い顔で、呆然と立ち尽くしていた。
「今は待つしかないよ。目を覚ましたらすぐに皆に知らせるから」
チョッパーはそう言って、また医務室に戻った。
サンジもその後をついて医務室に向かおうとしたが、ゾロが腕を掴んで引き止めた。
「テメェ…どんなツラしてアイツに会うつもりだ」
「うるせぇ…レナちゃんは俺の……俺の女だ」
「テメェにそんなこと言う資格あんのかよ」
ゾロはそう言ったあと、サンジを殴った。
サンジはやり返すことなく、ゾロにボコボコに殴られていた。
他の仲間は皆どうすることもできず、2人を見ていた。
「ゾロ!!ちょっとやり過ぎよ!」
ようやくナミが止めに入ったとき、サンジの顔はすでに腫れ上がっていた。
「目を覚ます前に一度だけでいい…会わせてくれ」
ボソッと呟くようにそう言い、サンジは医務室へと向かった。
ゾロはもう止めなかった。