第9章 代償 ★
その頃、ゾロも手当たり次第レナを探していた。
空が暗くなるにつれ、焦りも増して行く。
(レナ…どこ行きやがった)
人通りの少なくなってきた大通りを走っていると、通りゆく男たちの会話が耳に入ってきた。
「ー…犯されてるくせに何度もイッちゃってなぁ!」
少し気になったゾロは足を止め、歩きながら会話をする男たちに気づかれないよう、歩調を合わせて近くを歩いた。
「しっかし、良い女だったよなぁ」
「浮気する男の気が知れないぜ」
「『サンジはそんなことしない!』とか言って、カワイソーな女!」
聞き慣れた名前が耳に入った瞬間、ゾロは反射的に男たちに斬りかかっていた。
「今の話…詳しく聞かせてもらおうか…」
ゾロからただならぬ雰囲気を感じ取った男たちは、震え上がっていた。
男は全部で6人。
体格が良い者もいたが、所謂チンピラでゾロが本気を出すまでもなかった。
「ボスの女が…」
「ボスはどいつだ」
ゾロの言葉を聞き、一斉に一人に視線が集まった。
「てめぇがボスか。うちの仲間が一人、まだ帰って来てねぇんだが…何か知らねぇか…レナって奴なんだが…」
「はぁ?知らないな。他を当たれ」
それを聞いたゾロは、一瞬で他の5人を斬り倒した。
「…本当のことを言わねぇと…次はお前の番だ」
男は青い顔をして、ゴクリと唾を飲んだ。