第8章 過ち ★
第八章 過ち
翌日、予定通り麦わらの一味は昼前に出港した。
サンジとレナはというと、お互い昨日のことは口にはしないものの、気まずい空気が漂っていた。
(サンジ、怒ってるよね…)
レナはサンジのことが気になって仕方なかった。
本当に申し訳ないことをしたと思っていた。
それに…
(私のこと処女だと思ってたんだ……)
サンジを拒否したことは、初めてだから緊張するという理由なら恐らく許してくれただろう。
しかし昨日、初めてではないことを知られてしまった。
しかも最悪のタイミングで。
(サンジはどう思ったのかな…)
どうすれば一番良かったかなんて、レナには分からなかった。
過去のことを全て話せば良かったのか。
あのまま流れに身を任せれば良かったのか。
昨日一緒に泊まらなければ良かったのか…
一つ言えるのは、昨日の結果…あれだけは最善ではないということだ。
サンジは今日の朝から、無理して話してくれているのが目に見えてわかる。
いつも通りを装っているつもりなんだろう。
しかしレナはとてもよそよそしく感じていた。
(嫌われちゃったのかな……)
レナは泣きそうになるのを堪えた。
気持ちを切り替え、レナは昼食の準備をするためキッチンへと向かった。