• テキストサイズ

君が笑う、その時まで

第14章 夏のハジマリ


 次の試合――決勝戦の開始まで1時間を切った。

 その間黄瀬君や笠松さんとたわいもない話をして時間を潰していると、上着のポケットに入れていたケータイが震えだした。

「?」

 手に取り、着信を確認する。

 発信先は――……


「笠松さん、私ちょっと席外しますね。あとできれば鞄見ておいてくれません?」

「ん?別に構わねぇが…」

「伊織ちゃん、どうかしたんスか?」

 席を立ちあがった私に2人は怪訝そうな視線を送ってきた。
 私は「トイレに行く」と適当な理由をつけて2人の追及をばっさりと断ち切り、足早に観客席を抜け出した。
/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp