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君が笑う、その時まで

第31章 Let's試食会


◆◇伊織視点
木「――なぁ大前、俺たちの合宿で食事を作ってくれないか?」

 やっぱりそう来たか。薄々言われるだろうと感づいてはいた。

黒「伊織さん、お願いします」
 まるで捨てられた子犬のような瞳にも注視され、気がつけば周りの部員にも距離を詰められている。

バスケ部一同「俺たちを生き延びさせてくれ!!!!!」

 確かにあの料理では選手の体調に何らかの影響が出るに違いない。
 かといってバスケ部と懇意になるつもりはない。
 
伊織「すみません、夏休みはいろいろと忙しいので」
 それに、と私はちらりと火神君を見やる。

伊織「料理なら火神君もできますよ」
 ね?とにっこり微笑みかける。

コガ「そーなのか火神?」
火「俺ひとり暮らしだし…です」
日「そんじゃ何か作ってみろ」

 バスケ部全員から詰め寄られる火神君を尻目に私はそそくさと家庭科室をあとにした。
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