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君が笑う、その時まで

第30章 誓い


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 …………………………………。

伊織「……相変わらずだね」
 これでもう何度目かのシュートを決めて、私はセンターラインに戻った。

 黒子は肩で大きく息をしていた。

伊織「大丈夫か、黒子?」
黒「だい、じょ、ぶ、です……」

 見るに堪えない、悲惨な姿である。
 私はベンチにある鞄から未開封のペットボトルを取り出し、黒子に向かって投げた。

伊織「ほい、差し入れ」
黒「…ありがとうございます」

 私も開封済みのスポーツドリンクを口に含み、一息吐く。

伊織「不思議だね」

 相変わらず君のバスケは今も昔も変わらない……けど。

伊織「たった数日で君は随分と顔つきが良くなったね、黒子」

 先の試合で挫折を経験し試合後はまともに顔を合わせなくなっていた彼が、今私の目の前にいる。
 その目にはしっかりとした意思が宿っている。目を逸らされた時の曇りは一切ない。

伊織(まだまだこれから、か……。君の言うとおりになるかもね、木吉)
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