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君が笑う、その時まで

第30章 誓い


 まるで吸い込まれていくように、ボールがゴールリングをくぐっていく――

 全発命中。その結果に満足感を覚えることはなく、転がっていったボールを拾いに行こうとする。

 そのボールがふわりと持ち上がる。
 ボールの転がっていった先に、なぜか彼がいた。

黒「ナイシューです」
伊織「黒子……」

 私の呟きに彼は「はい」と頷いた。
 制服姿で、肩から部活用のエナメルバッグを提げているところから判断するに、おそらくは部活帰りであろう。だとすれば、随分遅くまで残っていたことになる。

 そんな彼がボールを抱えたままコートの中央にやってきた。

黒「伊織さんに伝えたいことがあるんですが、ちょっと言葉がまとまらなくて…」

 さっきまで走っていたらしく、肩で呼吸をしている。

黒「言葉がまとまるまで、僕と1on1をしてくれませんか?」
伊織「は?」
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