• テキストサイズ

君が笑う、その時まで

第26章 逃げ足とメガネ


 着替えを済ませ、更衣室を出る。
 いつもなら諏佐と一緒に寮に戻るが、今日は違った。
 
今「諏佐。今日は先に帰っててくれへんか?ちぃと用があるねん」
諏「?……ああ」

 こんな時余計な詮索をしない友人は重宝すると感謝しながら、ワシは急いで靴を替えて校舎を飛び出した。


 さっき桃井と話していて、ふと視線を逸らしたときに見つけてしまった。

 ほんの一瞬だけ視界を横切った、懐かしさを感じる後ろ姿。

 桃井の話と相まってそこでようやく確信した。


今(……見つけた。)


 どこの制服を着ていようが、髪の長さが違っていようが、雰囲気は昔と少しも変わっていない。

 彼女は紛れもなく――
/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp