第26章 逃げ足とメガネ
◆◇今吉視点
練習が終わり、ミーティングが始まる。
桃井から明日の対戦校のデータを整理してもらい、作戦を立てる。
影のうっすいヤツに、青峰張りの新人か。その他おもろい選手がおるし、明日の試合がますます楽しみになる。
明日はいよいよインターハイ決勝リーグの初戦。全体のモチベーションはいい感じに高まっとる。
……ただひとりを除いて。
若「今日も来なかったッスね、青峰のヤツ」
今日も若松がふてくされたように呟く。
青峰が練習に出ないのはもはや慣れっこ。
叱るつもりはこれっぽっちもない。
面倒な人間関係に巻き込まれて才能を潰すくらいなら、多少のことは目を瞑って「放し飼い」にしておいた方がいい。
青峰の自由奔放さに嫌な顔をするヤツも少なからずいるが、誰もがアイツの強さを知っているためか強く言い出すヤツはない。
今「なあに。試合で勝てばそれでええんや」