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君が笑う、その時まで

第25章 お見舞い


黒「岸本さん、ですね?」
岸「はぃ。それで私に何か……?」
 今にも消えそうなくらいか細い声を絞り出し、上目遣いに僕を覗き込んだ。

黒「大前伊織という生徒について聞きたいんですが、彼女から欠席の理由とか何か聞いてませんか?」

 彼女はうーんと唸って深く考え込んで、申し訳なさそうにぺこりと頭を下げた。

岸「ごめんなさぃ。風邪をこじらせたっていうことぐらいしか聞いてないんですけど……」
黒「風邪ですか…」
岸「あっ!でも、すぐに治るから心配しないでって……あの、そのぅ……」

 岸本さんの声が次第にか細くなっていく。よほど緊張しているようですね。

岸「あ、あぅ……」
 
 彼女はどこか人見知りが激しい性格なのかもしれませんね。それに一度だって僕の目を見て話してくれません。
 けれども伊織さんについて僕が質問したことを必死で答えてくれた、友達思いな方ですね。
 
 伊織さんの傍にはこんな友達思いな方がついていたんですね。

黒「分かりました。ありがとうございました」
 岸本さんにお礼を言って僕はその場をあとにしました。
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