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君が笑う、その時まで

第24章 ラッキーアイテム


 改めて訳を説明するとなると…少し、いやかなり恥ずかしい気分になる。
 
緑「今日のおは朝占いでお前の獅子座は最下位だったのだよ。
  もっと早くに渡すべきだったのだが……遅くなってすまなかった」
キョウ「おは朝の?私に……?」
緑「ああ」

 だが、彼女はなかなか受け取ろうとしなかった。
 俺は彼女に気づいて欲しいもどかしさと一刻も早く緊張感から抜け出したい焦燥感に駆られていた。

緑「さっさと受け取るのだよ!」

 ついに痺れを切らしてとパンダのキーホルダーを彼女の手の中に押し込めた。
 
 これでここにいる理由は無くなった。
 俺はその場から逃げるように足早に昇降口へと向かう。


 ……これではただの怪しい人物にしか見えないのだよ。彼女にどう言ったら伝わるのだろうか。


 ふと足を止め、肩越しに彼女を覗く。

緑「……その、なんだ。俺や高尾に迷惑をかけたなんて思うのはよせ。
  俺は……お前にラッキーアイテムを渡したかっただけなのだよ」

 この言葉に嘘は無い。
 なのに何故だろう。口にした途端、顔面が一気に火照ったような気がした。
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