第24章 ラッキーアイテム
ピンポーン。
……………………。
もう寝てしまったのか?
俺は直接触っていないが、高尾が言うにかなり高い熱らしい。
すぐにでも体を休ませた方がいいのは分かっている。だが、と俺は鞄の中にある紙袋の存在を気にかけてしまう。
郵便受けに滑り込ませてしまおうか。
だが、もし彼女が今日中に気がつかなかったらラッキーアイテムの価値が無くなってしまう。
どうしたものか……。最適な方法を考えあぐねていた時だった。
ドアの内側でガチャンと鍵の外れる音がした。
ドアがゆっくりと開いていく。
伊織「はぁーい…て、」
全身の力をかけて扉を開ける彼女の体がぐら、と揺らぐ。
俺は咄嗟に手を伸ばし、彼女の肩を支えた。
…危なかったのだよ。
緑「大丈夫か?」
伊織「……緑間君?」
何でいるの?と首を傾げる彼女に俺は鞄の中から例の紙袋を取り出した。
緑「獅子座のラッキーアイテム、パンダのキーホルダーなのだよ」
キョウ「……えーと、」
彼女は紙袋を見つめて、訳が分からないと言わんばかりに首を傾げた。