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君が笑う、その時まで

第24章 ラッキーアイテム


◆◇緑間視点
 高尾と別れ、順調に帰路についていた俺の頭の片隅には彼女の顔が離れずにいた。

 なぜそこまで彼女にこだわるのか、俺自身不思議でたまらない。

 あまりにも知らなすぎる彼女を赤の他人として割り切ることができたのならどんなに気分が楽になれたことか。
 それができない現実がどんなにもどかしくて、苛立たしかったか。

 彼女の異変に気づけた高尾でも、常に彼女のことを気にかけていた「お前」でもないこの俺には、何もできないというのに……。

 今日の蟹座は確かに思考がブルーになるのだよ――

「っ!?」

 思わずはっとした。俺にできることは……ある。
 

 ――最下位は、ざんねーん、獅子座のあなた!
   日頃の疲れでダウンしそう。自己嫌悪に陥らないよう気をつけて!


 今朝のおは朝で彼女の獅子座は最下位だった。
 ならば獅子座のラッキーアイテムを渡せばいいだけのことなのだよ。

 俺はケータイを取り出し、急ぎおは朝占いをチェックする。

 獅子座のラッキーアイテムは……パンダのキーホルダーか。

 俺は近場のショッピングセンターに入り、雑貨店でパンダのキャラクターのキーホルダーを見つけて迷うこと無く買った。
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