第5章 おしくらまんじゅう押されて泣くな、の段。
翌朝。
椿は寝不足の目を擦りながら洗面所へ向かう。
と、乱太郎ときり丸も目をショボつかせながら歯を磨いていた。
「おはよう、乱太郎くん、きり丸くん」
「「椿さん、おはよーございます…」」
「昨日は暑くて寝れなかったね…」
(暑さだけが理由じゃないけど)
椿はそう思いながら二人に声をかける。
「気温、39度もありましたからね」
「え、そうなの? それは暑いわね…」
「だから、昨日はみんなでおしくらまんじゅうをしたんですけど先生に怒られちゃいました」
乱太郎が不満そうに頬を膨らませる。
しかし、椿の気は別のところにあった。
「おしくらまんじゅうって…?」
それは、土井先生が椿のところにやってくる少し前のこと。