第4章 リンスを忘れちゃいけません、の段。
「そ、そんなに見つめられたらはずかしいんだけど」
「アホか!」
土井先生の拳がぱかっと小気味いい音でしんべヱの頭にたんこぶを作った。
「あ~ん」
ぐしぐしと涙と鼻水を垂らすしんべヱをよそに、乱太郎は過去のコミックスを確認した。
「えーっと…あ、落乱11巻でドクタケ城の三番蔵をふっとばしてるみたいだよ」
乱太郎がコミックス11巻の問題のシーンをきり丸と土井先生に見せる。
「そうそう!」
しんべヱはにっこり笑ったが、きり丸と土井先生は顔を見合わせた。
「……濡れ衣だけど…」
「そりゃ作者も混同するわ…」
「と、いうわけで、ちょっと間違っておりました前回のお話ですが、あながち間違っちゃいないと申しあげてもよいかと思います。ですがまぁ間違いには変わりなくてですね……くどくどくどくど」
「いつまでぐだぐだしゃべってんだよ、乱太郎。次の話が始まるぜ」
「あ、そうだった。それでは今回のお話、始まり始まり~」
ひそひそ
(しんべヱ、早く準備して!)
(土井先生ちょっと手伝ってくださいよ)
(ん? なんだ?)
(落乱1巻で土井先生が山本シナ先生に見せたアレを椿さんにも見せてあげるお話なんですよ)
(お、なるほど。それはいいな)
(土井先生、うちわ持って!)
(…はっ! 読者に見えてるぜ!)
ひそひそ終了