第1章 思い出したくないこと *秀吉視点*
ごほっごほっ…
目を覚ますと見慣れた天井と…
険しい顔をした家康がいた。
「…目、覚ましたみたいですね。」
「家康…?どうしてここに…うっ…」
口を開いた途端、嫌な味が広がった
その味で光秀の『天下飯』を食べたことを思い出す…
家康は大きなため息をつき
「光秀さんが何やら機嫌良さそうに三成の部屋を出て行くのが見えたので来てみれば…」
めんどくさいことになった…といわんばかりの目をしていた。
「すまない、助かった。…三成は…?」
横を見ると泡を吹きながらまだ眠る三成がいた
!?
家康は顔色を変えることなく、険しい顔つきのまま
「…そのまま放っておいて、いいんじゃないですか。じゃあ、俺は念の為薬を取りにいきます」
そういって家康は部屋を出て行った。
俺は慌てて三成を吐かせ、水を飲ます。
起きはしなかったが、規則正しい寝息を立てながら眠っているので、まあ大丈夫だろう
しばらくしてから家康が2人分の薬を持ってきてくれたので、三成にも飲ませた。
なんだかんだ三成のことを言っているが
ちゃんと薬を用意してくれる家康は優しいやつだと思う。
まあ、天邪鬼で素直ではないが…。
家康に感謝をしつつ…
「光秀、覚えておけよ…」
光秀の作るものは二度と口にしないと肝に銘じたのだった。