第1章 思い出したくないこと *秀吉視点*
俺は杏を真剣な目で見据え、重い口を開く
「―――あいつは三成に次いで、食事に関心がない。」
「へ?」
意表を突かれ、きょとんと目を瞬かせながら、拍子抜けした声を上げる杏。
…この様子だと、どうやら事の重大性を分かっていないようだな
子供の様に無知な杏に対する不安がさらに募り、より一層眉間に皺を寄せる。
「杏、事の重大性をわかっていないみたいだな…」
「これは…ある意味お前の命もかかっている」
「い…いのちっ!?そんな、大げさな…」
大げさじゃないんだ…杏。
俺はついこの間の出来事を思い出した――