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レモンスカッシュ【気象系BL】

第5章 M×A for MJbirthday


M side

車に乗っても上の空。

ぼーーっと、していて。


そんな顔も悪くないな、なんて思ったり。
なんかちょっと悪戯しようかな、なんて思ったり。

まぁでも、恋愛って距離感が大切ですからねぇ、

だから、とりあえず声だけかけてやめた。


俺ん家に着いて。
マンションだってことに感激してる、雅紀。

…っつても、3階なんですけど。
まぁでも、そんな姿も可愛いから良しとした。

エレベーターを使って上って、部屋入って。
一人暮らし用アパートに毛が生えたようなマンションだから、
そんなに広くもないんだけど。2LDKだし。


玄関入った瞬間、

「ひっろ!玄関ひろっっ」

って、はしゃぐ雅紀を見て、


…なんだかちょっとだけ、虚しくなった。



リビングに入るように促して、ドアを開ける。

また、広い!なんて言ってはしゃいでる。

「じゃ、早速始めますか。特別補習。」

「はい。お願いします!」

病院を出た時よりいくらか元気になってて。

「じゃとりあえず、ここで待ってて。すぐできるから。」

きょとんとした雅紀を残して、キッチンに向かう。

朝、家をでる前に作っておいた料理。

そんな大層なものじゃないけど、
一応なんでも食べていいと病院から言われたから。

中華料理を作ってみた。
理由は二つ。

一つ。なんかスタミナがつきそうだから。根拠はない。勘。
二つ。櫻井先生から、相葉は中華が好きらしいよ、と聞いたから。


料理をあっためて、リビングダイニングに持っていく。

「え?え?先生授業するんじゃないんですか⁉︎」

「何言ってんの。これ授業だよ?」

「え?」

「特別補習、ですから。」



召し上がれ、というと、雅紀は本当に美味しそうに食べて。

作ったこっちが幸せになるように、嬉しそうに食べて。

完食した。


食べてひと段落して。二人で並んでテレビ見て。
笑いあって。
お茶飲んで。

…そんな平凡が、



とっても幸せだった。


夕方に差し掛かった頃。
雅紀が外の様子を気にし始めて。


なんとなく、時間を気にしてんだな、って思った。


…バイトの。


「雅紀、ちょっと話したいことがあるんだけど。」

「うん?」

この数時間ですっかりタメ口になった雅紀。


「バイト、辞めさせてもらってきたから。」

「…ぇ」
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