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レモンスカッシュ【気象系BL】

第5章 M×A for MJbirthday


「大丈夫だから。


好きだ…。」



たった一言。
耳元でたった一言をくれた。



そこでやっと分かる。

「違うんだ」って。


また涙が止まらなくなった。


…ちゃんと話そう。先生に。
いつか全部。




そんな俺を見て、

「仕方がないなー…。」なんて言いながらも、ずっと優しく背中を摩ってくれていた。



ずっと求めていた。

安心出来る、温かい場所。


抱きしめてくれた腕の中からそっと抜け出して、先生の顔を胸の中から覗いた。



「ん…?」


やっぱりその瞳は暖かくて…。

声も、表情も、この場所も空間も暖かい。



「先生、好き…。」
「…うん。」
「補習、出来なくなっちゃってごめんなさい。」
「今はそんな事いいだろ?」
「でも…。」


先生は補習を楽しみにしてくれてた。

俺だってあの空間が好きだった。


補習が終われば、俺と先生は離れてしまう。
先生は3年生の先生だから、授業以外では会えないし…。


だからせめて、夏休みくらいは2人っきりで過ごしたかったんだ。

勉強でも何でもいい。

それが会える口実になるならって。



明日の午前中には退院出来るけど、でも…。



よほど俺がひどい顔をしてたらしい。


「ぷっ…。」
「あ、ひどいっ。」
「考えてることが分かりやすすぎるから…。


じゃあ、しよっか。」
「え?」
「特別補習。

明日、俺の家で。」
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