第5章 M×A for MJbirthday
Mside
「…い、おい、潤?」
「え?あ、ごめんごめん。」
「潤、今日ずっとぼーっとしてない?大丈夫?」
「そりゃ教師なんて疲れるよな~?だから俺教員免許取ったけど研究室勤務にしたんだし」
「え~じゃあ潤やっぱウチの会社入る?社長が松本くん連れてこいって会う度に言うんだよ?」
と、生田。
大学時代に読モやドラマのちょい役で出た時、何度か生田の所属する芸能事務所の社長にお世話になった。
「ふん、やっぱりイケメンは引っ張りだこかよ」
「あのなー男子校の教師やっててイケメンとか関係ねーから(笑)」
頭の整理がつかなくて、ちょっと一服してくる、と個室を出た。
離れの玄関にあるちょっとした喫煙所。
目の前に広がる日本庭園で1人、掃除をしてる青年。
…やっぱ、さっき怒鳴られてた青年。
ひょろっと高い背と、全体的に細すぎる線。
「…相葉、だよな…」
何度その青年を見ても、俺の見解は変わらなかった。
「え~なにぃ?センセーも恋患い?」
きゃはっ、とやはり女子のような笑い方をする二宮に呼び止められたのは翌日の朝。
「んだよ、お前かよ。
お前補習、社会科教室だろーが」
「だってぇ、櫻井センセー攻略法を聞こうかなぁって」
「知るかんなもん!別に俺攻略してねぇし!」
「ふーん?
まぁだって他の人にご執心みたいだしねぇ?
えだれだれ?」
「…別に恋じゃねーよ、ただ気になってるだけで」
二宮が俺をじーっと見つめて、ぼそっと言った。
「それを恋って言うんだよ?」
ニヤニヤしながら去っていった二宮を見送る。
…いやいや、恋な訳ねーだろ…
「…おはようございます…」
明らかに眠そうな声の主は
「相葉、おはよう。
先に化学実習室、行っといてくれる?」
とにかく…
補習。