第1章 S×N
S side
え?
…え?
俺いま、ニノと…
…キス、し、た?
「好きだよ、
ばあああか。」
…す、き?
やべ、状況飲みこめねえ。
だけど、頭はフルで空回りしていて。
待てよ…
好き…?
ニノが、俺を?
もしや、
ニノ、俺の想い
気づいちゃった?
ゆっくりとニノの瞳を見ると
いまにも泣き出しそうな顔で俺を伺っていて。
…ヤバい。そんな顔すんなよ。
俺が
なけなしの演技力で隠してきたこの気持ちが
全力で押し殺そうとしていたこの気持ちが
爆発しそうじゃねーか
「トイレ…行ってくる」
「ちょ待てよ」
考えるより先に、体が動いていた
そんなこと、めったにないのに
気づいたら、
ニノを抱きしめていた
ニノに口づけしてた
…それも、
ニノの顎、クイってして。
口を離すと
…驚いたニノの顔。
「ニノ、俺も」
好きだ
そのセリフを言う前に
下から強引に口づけされた
「俺のが好きだもん!」
くそ…
ノックアウト。