第17章 TRIGGERと掃除*
「 本当に悔しいほどオーラが凄いです。彼らが来た瞬間、スタジオの空気が変わりました。」
『まじかーっ。うん。私も今ね、空気になりたい☆』
「何、バカな事を言っているんですか。ほら、七瀬さん達が挨拶に行きましたよ。僕達も行きましょう。」
『いや、うん。今、思い出した!私挨拶したわ!うん。したした!だから私ここで待ってるよ☆』
「は?貴女さっき TRIGGERなんて知らないって言ってたじゃないですか?ほら、嫌がってないで行きますよ! 」
一織くんは私の手を強引にひっぱりTRIGGERのもとへ引きずっていく。
いやーっ。本当にこれ不味いわー。
私あいつらがトップアイドルなんて知らなかったんだわ。
私はできるだけ顔を伏せて一織くんの後ろに隠れた。
「こんにちは、TRIGGERの皆さん 。今日はよろしくお願いいたします。」
「あー!一織くん久しぶりだね。今日はよろしく!」
「和泉の後ろに隠れてる奴は誰だ?」
「なっ、ちょっと!なんで私の後ろに隠れているんですか!ちゃんと挨拶をしてください!!」
一織くんが私を背中から無理矢理剥がそうとするが、えぇーい!こっちだって顔がTRIGGERにバレないように必死だ!絶対に離れん!!
「どうしました?マドマゼル?体調でも悪いのですか?」
「体調悪いなら楽屋にもどる?俺、ついていこうか?」
ナギさんと陸くんが心配そうに私に近寄ってくる。
二人とも優しいな……!だけど違う。違うんだ!今はその優しさが痛い!
「貴女さっきまであんなに元気だったじゃないですか?一体どうしたっていうんです?それとも本当に具合が悪いんですか?」
「なんだ、そいつ体調が悪いのか?大丈夫か?」
「体調が悪いなら、無理しない方がいいよ?」
お前らは近寄るな!!
私は TRIGGER から離れたいんだよ!!
『(裏声)すっすみません。ありがとうございます。TRIGGER の皆様にはちゃんとした挨拶もできずに申し訳ありませんが少し体調が優れないようなので、休ませていただきます。一織くん悪いんだけど【このまま】で私と一緒に楽屋に行ってくれるかな?」
「えっえぇ!わかりました。では、行きましょうか。」