第22章 お土産と掃除*
最初は怒らせたかなって思った。
(めっちゃ、腹痛かったし。)
だけど、お土産を渡した時、ちゃんは喜んでくれたから………。
俺はそれだけで幸せな気持ちになれたんだ。
『あっ!やばっ!待ち合わせの時間!?今、何時?』
「ん、16時。」
『ぁぁぁぁぁぁぁぁあ!友人Aに怒られるっ!環君!お土産、本当にありがとうね!王さまプリン楽しみに待っとけ!』
俺が見たかったのは、その笑顔。
本当に渡せてよかった。
ちゃんは、俺の前からすげぇ勢いで走っていく。彼女が居なくなったのを確認して、俺はまだ彼女が触れた温もりのある頭をくしゃりと撫でた。
頭を撫でてもらったのはご褒美でもなんでもない。
ただちゃんに触れて欲しかっただけ。
ただの小さな独占欲。
どうかまだちゃんに、気づかれませんように。。。