第17章 TRIGGERと掃除*
楽は身なりを直し忌々しそうにため息をついた。
「なんだよあの女💢ニコニコしてると思ったら急にキレやがって!」
「あれが素なんじゃない。」
「ったく、今度会ったら文句言ってやる!」
「楽!相手は女の子なんだからね!それに、さっきのは楽が悪いよ!」
「は!?なんで俺が悪いんだよ!」
今度は龍がため息をついた。
「楽…。初対面の女の子に向かって顔が冴えないとか、他の女の子の方が可愛いとか言われれば、誰だって怒ると思うよ。僕達からしてみたら【お前みたいな奴が、なんでアイドルやってるんだよ。】って言われてるとの同じだよ。」
「うっ、確かに…少し言いすぎたかも知れねぇ。わりぃ。」
「俺じゃなくて、今度彼女に会ったとき謝りなよ。」
「わかった。……だけどよー、結局アイツは何者だったんだ?」
「うーん。迷子みたいだったけど。ここのスタッフのお子さんとかかな?まだ若かったし。」
天はどう思う?と聞いたが返事は返ってこず、天はスマホを見ていた。
「天?どうしたの、何かあった?」
「ううん、違うよ。陸からラビチャが届いただけ。」
「弟くんか!今日一緒の撮影だもんね。挨拶でも来たの?」
「それもあるけど、ちょっと違うかな。」
「なんだよ、他になんか書いてあったのか?」
「よかったね、楽。彼女とはすぐに会えそうだよ。」
「は!?」
天はそっとスマホを閉じ、自分達の楽屋に足を進めるのだった。
From陸
天兄今日は一緒の撮影だね!
一緒の仕事なんて滅多にないからとっても嬉しい!
今日はよろしくお願いします!!
天兄さ、マネジャー見てない?
あっマネジャーっていっても、今日は小鳥遊さんじゃなくて!
今日だけ俺達のお世話をしてくれる人なんだけど…スタッフさんと、話しに行ったきり全然帰って来なくて、もしかして迷子になってるかもしれないから、もし見つけたら連絡くれる?
この子だよと陸から送られてきた写真は紛れもなく、さっきの彼女で。
写真の後には【男前】と書かれていた。
クス。
確かに。アイドルの、ましてや、男の胸ぐらを掴んで、怒鳴る女の子なんて初めてみたよ。
さて、僕達の事を知らない彼女は、次出会った時どんな反応をするんだろうね。