【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 木兎光太郎との場合
第4章 好きになる理由
「俺、好きって思ったら絶対あきらめないんで!」
そんな大きなガッツポーズを送られても困る。
てか、声大きい……
横を通りすぎたカップルが「うわ、告白してる」って囁きあっている。
ここは、最初の対応が肝心。
きっぱり断らないと……
「ごめんなさい、でも私、好きな人がいるから……」
「それって、もう告白とかしたんスか?」
「まだ、だけど……てか、するつもりもないし……」
光太郎に告白なんて、これまで考えたことすらない。
この気持ちはずっと自分の中にしまっておく。
そう決めてる。
「じゃあどうでもいいです」
え……?
「好きな人がいても何もしないって、それって特になんでもないってのと一緒ですよね?」
「……そう、なの?」
「え、違いますか? 好きなら付き合いたい。付き合うなら告白したいって思うものでしょ、普通」
それ以上でも以下でもない。
きっぱりと言い切るリエーフに圧倒されてしまう。
たしかに。そうだ。
本当に誰かに取られたくないなら、失いたくないなら、何か行動を起こす。
じゃあ、私は……
「でも……私、面白くないよ。運動も苦手だし、背も小さいし、目立たないし、平凡だし……」
私にはコンプレックスがある。沢山。
いつも仲間の中でキラキラしてる光太郎と比べて、平凡でなにをやっても普通で、自慢できることなんて一つもない。
だから、光太郎が好きでも、告白でもできなければ、これ以上近づくこともできない。
劣等感が邪魔をする。
「? そんなの何か関係あるんスか?」
「え……」
「そんな面白いとか、運動できるとか、そういうのって何か関係あるんスか?」
きょとんとした大きな目。
「だ、だって、好きになるってそういうコトなんじゃないの?」
「そういうことって?」
「だから、……」
「別に面白いからとか、何か超すごいことができるからって好きになるわけじゃないですよね?」