【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 木兎光太郎との場合
第4章 好きになる理由
高い。
スカイツリーみたい。
目の前に立ってる男子を文字通り見上げていると、
「で、どうスか!?」
いきなり吊り上がった目に上からのぞきこまれて、とっさに一歩引いてしまった。
「あ、あの……なんで……」
「なんでって何が?」
「いや、だから、なんで私なのかって……あの、私3年だから年上だけど……」
「知ってるッス! 姉ちゃんからいろいろ聞いてるし」
だよね。
この人のお姉さん、灰羽アリサさんとはバイト先のカフェが一緒で、仲良くなった。
シフトの時間帯が重なることが多いし、年も2つしか違わないから、LINEしたりバイト後にお茶したり。
そしてバイト先に彼女の弟が来て、紹介された。
灰羽リエーフ。
バレー部だって言われて、話が盛り上がった。
音駒と梟谷は同じ学園グループ。
いつしか「リエーフ」と呼び捨てにしてた。
アリサさんは「アリサさん」のままなのに。
リエーフは友達。
それ以上でも以下でもない。
背が高くて、猪突猛進だけど、憎めなくて、いい子。
そう思ってたのに、いきなりなんで私、告白されてるんだろう。
こんな、後楽園駅の真ん前で……。
「すぐに返事くれなくてもいいッス。本当は今うんって言ってほしいけど、オレ待ちますから!」
40センチ以上も上からニカッと笑顔を向けられて、ますます困ってしまう。
その前に、シチュエーション的に恥ずかしい。
みんな見てるんですけど……
リエーフ、目立つから。
「あの、でも私……」
「あ、もしかしてカレシいるんですか!?」
慌てて首を降る。
いままで誰とも付き合ったことない。
でも、「いる」って嘘つけばよかったかな……
そうしたらじゃあいいやってことに……
「ま、カレシいたっていいですけどね、俺は。待ちますから」
……ならなかった。