【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 木兎光太郎との場合
第2章 おかんセッター赤葦の考察 その1
「木兎に幼なじみなんていたんだ。しかも女子って……もしかして木兎が彼女作らないのってそのせい!?」
「……はい?」
「だからっ、実は木兎はその子が好きだとか」
「……」
「よくあるじゃん、幼ななじみの子が好きでみたいなシチュエーション!」
よく……あるのか?
「俺はよくわかりませんけど……」
「絶対そうだって。どんな子?」
「……木兎さんと正反対なタイプだと思いますよ」
おとなしそうな子だった。
小さくて……こうきゅっと丸めてくるくるっとしてシャツの胸ポケットに入れたくなるような……
言動が騒がしい木兎さんとは正反対のタイプみたいに見えた。
「何が俺と正反対のタイプなんだよ?」
シャワーを浴び終わって戻ってきた木兎さんがいきなり背後から会話に入ってくる。
髪をガシガシとタオルで拭いている。
周りに残り水が飛び散るが、本人はまったく気にしていない。
「ちょっと! ちゃんと拭いてから出てきてよ!」
「うっせーな。で、何?誰が俺と似てないって?」
「さっき観客席にいた人です、木兎さんが挨拶してた……」
「あ~」
「なに木兎、幼なじみだってホント? そんな子がいたんだ?」
「……ノーコメント」
「なにそれ」
「だからノーコメント」
くるりと踵を返す木兎さんの後ろ姿を、
「ちょっと木兎っ」
マネ先輩がしつこく追いかけていく。
何でも言いたがり知りたがりの木兎さんの口から「ノーコメント」が出るのは初めてだ。
珍しい。
……もしかして、当たりなのか?
か、当たらずとも遠からずってやつか?
木兎さんとコンビを組んで1年半。
どうやら、木兎さんの弱点……ようなものを見つけたらしい。