【R18 ハイキュー!!】幼なじみ 木兎光太郎との場合
第1章 眩しすぎて、息ができない
「木兎さん、早くナンパ終えてもらえますか。みんな待ってるんで」
「ばっか、赤葦、ナンパじゃねえって!!! こいつは俺の幼なじみの奴で、っ」
「幼なじみだろうが昔なじみだろうが、今はやめてください。練習試合でも真剣にやってもらわなきゃ困ります」
セッターの人に引きずられるようにコートに連れもどされる光太郎は、まだこっちに向かって大きく手を振ってくれている。
「頑張って……」
小さく手を振りかえしながら、小さい声でつぶやく。
「誰、あの子」
「木兎の知り合い?」
「幼なじみって言ってなかった、今? でも……」
前の2人がコソコソ話に続いてこっちを振り返った。
「……地味」
「だね。なんかイメージ違うかも……」
いつも言われることだから、もう慣れた。
光太郎と幼なじみだってわかると、大体の人がびっくりする。
いつも大勢の友達に囲まれて楽しそうな光太郎と、本ばっかり読んでて友達も多くない私。
誰とでもすぐに友達になれる光太郎と、人見知りな私。
運動が大好きでいつも動いている光太郎と、インドアで運動音痴な私。
背が高くてどこにいても目立つ光太郎と、すごくチビですぐ人波に埋もれてしまう私。
なにもかもが潔いほど正反対。
だから、私は光太郎に憧れてた……。
試合が再開し、次もものすごい力でスパイクを決めていく彼は、楽しそう。
仲間と一緒に、好きなバレーをしてる彼は、本当に楽しそうで、眩しい。
彼は小さい頃から、キラキラ輝いてた。
いつでも、どんな時でも。
そんな彼を、私は遠くから見てることしかできない。
昔も、今も……。